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外貨建生命保険の募集に係るリテラシー

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外貨建生命保険に関する苦情調査の結果

苦情件数はどのくらいあるの?

・銀行等代理店が販売する外貨建生命保険に関する苦情件数は、調査を開始した2012年(平成24年)以降、一貫して増加しており、2018年(平成30年)には2,543件と調査開始時に比べ約4倍となっています。

ここが大事!苦情の主な原因とは?

・「説明不十分」が69%と全体の3分の2以上を占めます。また、この「説明不十分」のうち、「元本割れリスク」にかかる内容が3分の1程度を占めています。

保険契約者の年齢別の苦情の件数を知ろう!

・60歳代以上が圧倒的に多く、さらに80歳以上では本人以外の親族等からの苦情が突出しています。

理解・納得いただけていないケースが発生しているのも事実

・募集の際に十分な説明が行われていないケースだけでなく、正しく説明していたとしても、お客さまに理解・納得いただけていないケースが多くあると考えられ、これらは、銀行等に所属する生命保険募集人以外においても、同様に発生しています。

・外貨建生命保険の募集にあたっては、生命保険会社の定める資料を使用して、形式的な説明だけにとどまらず、お客さまに十分ご理解いただき、納得のうえでご契約いただくことが重要です。

外貨建生命保険を募集する際の留意事項をチェックしよう!

(1)リスクの説明

リスクの説明

・外貨建生命保険を販売する際には、外貨建生命保険のリスクについて説明しなければなりません。その主なものには、為替リスク中途解約時において元本を割り込むリスクなどがあります。

為替リスク

・為替リスクとは為替相場の変動により、保有する外貨建資産を円に換算した額が変化して、損失や利益が生じる不確実性のことをいいます。変動の方向によっては、保険金等が当初想定した金額を上回る場合もありますが、逆に下回る場合もあり、この点について理解いただく必要があります。

【苦情の事例】
・外貨建養老保険の募集にあたり、契約概要等を提示のうえ、「満期保険金は10万米ドルで、この金額は保証されています。現在のレートによるとちょうど1,000万円ですね」と説明したところ、為替レートの変動により、満期時の受取金額を円に換算した金額が900万円であったため苦情となった。

この事例においては、満期保険金が外貨ベースで保証されている点は間違いないですが、為替リスクを十分にご理解いただいていなかったため、当時のレートで換算した円ベースの金額が保証されているように誤解されてしまった点が問題です。

→苦情を避けるためには?

・お客さまのニーズを確認のうえ、お客さまの資産構成等にも配慮し、場合によっては円建ての商品に切り替えて提案を行うなどの配慮が必要となります。

解約時において元本を割り込むリスク

・外貨建生命保険は「保険契約関係費用」(保険契約の締結・維持・死亡保障等にかかる費用)等が責任準備金・積立金から控除されることがあり、また、解約控除やMVA(市場価格調整)により解約返戻金が減少することがあるため、これらの点についてご理解いただく必要があります。

短期間での解約にもリスクの可能性あり!

・保険契約は基本的には長期間の継続を前提としているので、短期間での解約は元本割れするリスクが高くなります。お客さまの運用期間のご希望を十分に確認する必要があります。特に、短期間で資金を使用する可能性がある場合は元本割れリスクがあることを十分に説明することが大切です。

【苦情の事例】
・外貨建生命保険を解約されたお客さまから、解約返戻金が想定より少ないとの苦情があった。保険契約関係費用、解約控除、MVAについて説明したところ、そのような説明は受けていないとのことだった。

この事例においては、解約返戻金から控除される諸費用についてご理解いただけないまま契約に至った点が問題です。注意喚起情報などを使用し、ご納得いただけるまで説明することが必要です。

→苦情を避けるためには?

・責任準備金・積立金から控除されることのある諸費用について、注意喚起情報等を用いて十分に説明を行うことが必要です。また、契約概要・設計書等を使用し、具体的な数字を使って説明することなどにより、お客さまに理解を深めていただく方法もあります。

(2)高齢のお客さまへの対応

高齢のお客さまへの対応

・その特性からより慎重な対応が求められ、丁寧な説明の他、親族等にも保険加入についてご理解いただくことが大切となります。

【苦情の事例①】
・高齢のお客さまに外貨建生命保険をご契約いただいたが、保険契約者の長男から「外貨建生命保険を契約したとは聞いておらず、父(保険契約者)も覚えていないと言っている」との苦情があった。契約締結時には、契約締結前交付書面等を用いた説明を行い、十分にご理解・納得のうえご契約いただいた。

この事例においては、高齢のお客さま特有の事情として、時間の経過により契約締結の認識が薄れてくるおそれがある点に配慮が必要でした。

→苦情を避けるためには?

リスクのある商品であるため、適合性の原則に基づき募集の可否を判断したうえ、親族に同席いただく等の対応が必要です。

【苦情の事例②】
・高齢のお客さまに対して、為替リスクや元本割れリスクにかかる説明等を行った。お客さまから、「自分にはわからないので、もう説明しなくてよい」と言われたが、形式的には適合性の確認事項に抵触していなかったため、結果的に外貨建生命保険をご契約いただいた。その後、契約内容の通知が来た際、元本割れが発生しており、苦情となった。

この事例は、説明をしなかったことだけでなく、適合性の原則の観点からも問題です。

→苦情を避けるためには?

客観的に見て、理解が困難と思われるお客さまに対しては、外貨建生命保険を販売しないことも考えられます。

その他注意すべき事項

(1)クーリング・オフ

クーリング・オフについての説明

・契約締結前交付書面を用いて、起算日、期限日、申し出の具体的な方法(書面による申し出)について説明する必要があります。また、円入金特約の負荷の有無により、返還される通貨が異なることについても説明する必要があります。

【苦情の事例】
・クーリング・オフについて、「契約日から8日以内にお申し出いただければ、支払った金額が全額返還されます」とだけ説明した。その後クーリング・オフの申し出があったが保険料が外貨で返金されたため、円に両替したところ当初支払った金額を下回ったとの苦情があった。

この事例においては、契約締結前交付書面を用いて、起算日、期限日、申し出の具体的な方法を説明し、さらに保険料を払い込む通貨より返還される通貨が異なる点について十分説明する必要がありました。

→苦情を避けるためには?

契約締結前交付書面の該当箇所を示しながら説明するなど、ご理解・納得いただける方法で説明することが大切です。

(2)保険金等の受取時の税金

税金に関する説明

・保険金や年金などを受け取る際には、所得税等が課税される場合があり、どのような場合に課税されるかについて十分に説明する必要があります。

【苦情の事例】
・外貨建生命保険を解約したお客さまから、契約時に支払った保険料との差益に所得税が課税されたが、契約時に説明を受けていないとの苦情があった。

この事例においては、契約形態等によりどのような税金が課されるかについて、ご理解・納得のうえ契約していただく必要がありました。

→苦情を避けるためには?

生命保険会社の作成している資料などを用いて十分説明する必要があります。

(3)お客さま意向の確認

お客さま意向の確認

・保険商品を募集する際は、お客さま意向を確認のうえ、その意向に沿った商品にご契約いただくことが必要で、外貨建生命保険を募集する際にも、その商品がお客さま意向に沿った商品であることが必要です。外貨建生命保険はリスクのある商品であり、お客さま意向の内容により、許容できるリスクの範囲について十分注意が必要となります。

【苦情の事例】
・外貨建個人年金保険に加入いただいたが、年金受取時に為替が円高に推移していたため、年金額が減少し、当初予定していた生活費が足りないとの苦情があった。

この事例においては、お客さま意向を十分に確認する必要がありました。

→苦情を避けるためには?

老後の生活費のための契約であれば、たとえば契約の一部について円建ての個人年金保険をおすすめするなど、リスク分散に関する配慮が必要です。

(4)直近の金利情勢を踏まえたお客さま説明

直近の金利情勢等の説明

・外貨建生命保険をお客さまにご提案する際には、直近の金利情勢を踏まえた説明が必要です。日本国債の利回りに比べて外国債の利回りが高い等の説明をお客さまに説明される場合は、内外金利差の情勢等、お客さまに誤認を招かないよう、十分に説明する必要があります。

(5)契約後のアフターフォロー

適時・適切な情報提供

・生命保険契約は長期にわたる契約のため、契約時に説明した内容についてのお客さまの記憶が薄れていくことがあり、また、保険金の支払事由や請求方法についても理解・認識不足等により保険金等の請求漏れが発生する場合もあります。そのため、生命保険募集人は、「契約募集時」「契約期間中」「請求受付・案内時」の各段階において、適時・適切に情報提供を行う必要があります。

外貨建生命保険のリスク

外貨建生命保険は、為替レートの変動を受ける他、MVA(市場価格調整)が組み込まれた商品では、市場金利の変動によって解約返戻金の額が大きく変わる市場リスクのある商品です。

繰り返しの情報提供

・外貨建生命保険の仕組みはお客さまにとって、一般的な保険商品と比べて複雑なので、契約期間中の繰り返しの情報提供が特に重要となります。たとえば、年1回、定期的に発送される通知に合わせて、お客さまを訪問し、加入いただいた商品の内容やリスク、積立金・解約返戻金の状況をお伝えする等、継続的に情報提供をしていくことが、外貨建生命保険を販売するにあたって大切です。

【苦情の事例】
・為替リスク等をご理解いただいたうえで、外貨建終身保険に加入いただいたお客さまについて、加入後、お客さまとの連絡を一切とっていなかったところ、生命保険会社から発送された通知をみて、「円建てで元本割れしている」との苦情があった。

この事例においては、契約後のフォローがしっかりとされていないことが問題でした。

→苦情を避けるためには?

契約加入後、お客さまの記憶も薄れていくので、お客さまへの継続的な情報提供を通じ、商品の内容やリスク等についてご理解いただくことが重要です。

ここまでを問題形式で確認してみよう!

第1問 外貨建生命保険の募集に係るリテラシーについて、次の説明が正しいか否かを答えてください。

~問題文1~
銀行等代理店が販売する外貨建生命保険に関する苦情件数は、調査を開始した2012年(平成24年)以降、一貫して増加しており、2018年(平成30年)には2,543件と調査開始時に比べ約4倍となっています。苦情の主な原因は「説明不十分」が69%と全体の3分の2以上を占めており、この「説明不十分」のうち、「元本割れリスク」にかかる内容が3分の1程度を占めています。

~問題文2~
外貨建生命保険の募集にあたっては、生命保険会社の定める資料を使用して、形式的な説明だけにとどまらず、お客さまに十分ご理解いただき、納得のうえでご契約いただくことが重要です。

~問題文3~
外貨建生命保険を販売する際には、外貨建生命保険のリスクについて説明しなければなりません。外貨建生命保険のリスクは、為替リスクに限られます。

第2問 契約後のアフターフォローについて、次の説明が正しいか否かを答えてください。

~問題文1~
生命保険契約は長期にわたる契約のため、契約時に説明した内容についてのお客さまの記憶が薄れていくことがあり、また、保険金の支払事由や請求方法についても理解・認識不足等により保険金等の請求漏れなどが発生する可能性があります。そのため、生命保険募集人は、「契約募集時」「契約期間中」「請求受付・案内時」の各段階において、適時・適切に情報提供を行う必要があります。

~問題文2~
契約後のアフターフォローとして、たとえば、年1回、定期的に発送される通知に合わせて、お客さまを訪問し、加入いただいた商品の内容やリスク、積立金・解約返戻金の状況をお伝えする等、継続的に情報提供していくことが大切です。

~問題文3~
外貨建生命保険は、為替レートの変動を受ける他、MVA(市場価格調整)が組み込まれた商品では、市場金利の変動によって解約返戻金の額が大きく変わる市場リスクのある商品です。その仕組みはお客さまにとって、一般的な保険商品と比べて複雑ですので、契約期間中の繰り返しの情報提供が特に重要となります。

第3問 外貨建生命保険を募集する際の留意事項について、次の説明が正しいか否かを答えてください。

~問題文1~
外貨建養老保険の募集にあたり、契約概要等を提示のうえ、「満期保険金は2万米ドルで、この金額は保証されています。現在のレートに換算するとちょうど200万円ですね」と説明することは、当時のレートで換算した円ベースの金額が保証されているように誤解されてしまう可能性がある点が問題です。

~問題文2~
外貨建生命保険を解約されたお客さまから、解約返戻金が想定より少ないとの苦情があり、保険契約関係費用、解約控除、MVAについて説明したところ、そのような説明は受けていないとのことでしたが、この事例で、そのお客さまには保険契約関係費用、解約控除、MVAについて記載されている書面を事前に交付しているため、お客さまの自己責任の問題であり、販売手法に問題はありません。

~問題文3~
高齢のお客さまに外貨建生命保険をご契約いただき、契約締結時には、契約締結前交付書面等を用いた説明を行い、十分にご理解・納得のうえご契約いただいたにもかかわらず、保険契約者の長女から「外貨建生命保険を契約したことは聞いておらず、父(保険契約者)も覚えていないと言っている」との苦情があったという事例では、高齢のお客さま特有の事情として、時間の経過により契約締結の認識が薄れてくるおそれがある点に配慮が必要でした。また、適合性の原則に基づき募集の可否を判断したうえ、親族に同席いただく等の対応が必要でした。

 

おつかれさまでした。
これで基礎知識編はすべて終了です。

 

あなたの合格を心からお祈りしています。
本番もがんばってください。

 

本番に向けて問題慣れしたい方はこちらからどうぞ。
>>外貨建保険販売資格試験★力だめし 第1回 問題

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